徹底した衛生管理の重要性について

根管治療と衛生管理の深い関係

歯の中心には「歯髄腔(しずいくう)」という部屋があり、そこには神経や血管が通っています。虫歯が進行して強い痛みが出たり、細菌感染を起こしたりした場合は、炎症を起こした神経を取り除き、この部屋の中を「無菌の状態」に戻さなければなりません。これを「根管治療(こんかんちりょう)」と呼びます。

この治療を成功させるためには、完全な無菌状態・滅菌された器具で行うことが絶対に欠かせません。しかし現状として、理想的な衛生基準を満たした器具で治療を行っている歯科医院は、決して多くないと言わざるを得ません。
今回は、当院が患者様の安全を守るために使用している器具や、徹底した衛生管理の仕組みをご紹介します。

当院の専門的な滅菌・保管システム

乾熱滅菌器(写真右上)

根管治療で最も重要な機械です。ブローチという綿を先端に巻いて消毒する針のような器具は、綿栓を作る段階で口腔内の雑菌等に汚染されているため、消毒を行う際には必ず滅菌しなければ効果がありません。
そればかりか、院内感染(B型・C型肝炎等)の原因にもなり得ます。
この乾熱滅菌器には、中に350℃に熱せられたガラスのビーズが収められており、熱に耐えられる器具であれば、10秒間挿入するだけで瞬時に滅菌可能な装置です。

金属性の保管ボックス(写真右下)

歯の根の中を綺麗にするための細いドリル状の器具(リーマーやファイル)は、肝炎ウイルスなどにも効果がある強力な消毒液(イルガサンDP300)を満たした専用ボックスに収めています。

ガッタパーチャポイント保存容器(写真上中央)

ガッタパーチャポイントとは、根管治療で根管内や顎骨内にできた嚢胞の消毒が終了した段階で、歯髄腔にキャナルスセメントを付けて固着させ、安定させるための道具です。
ガッタパーチャポイントは熱に弱く、50度付近で溶融してしまうため、熱のかかる滅菌装置(オートクレーブやEOGガス滅菌など)では滅菌することができません。そのため、ホルマリンガスを利用して清菌し、この透明なケースに保管・使用します。

逆性石鹸(ハイアミン等)を付けて消毒・保管されたブローチ(写真左上)

EOGガス滅菌済みの根管充填時に使用される器具・抜歯セット(写真左下)

・ガラス練板
・スプレッダー(直の探針状で、ガッタパーチャを水平的に押し固める器具)
・プラガー(ガッタパーチャを押し固める器具)
・セメントスパチュラ(セメントを練るヘラ)

当院の「4ステップ」消毒・滅菌サイクル

患者様のお口に入るものは、すべて以下の厳格なステップを踏んで清潔な状態に戻します。

① 洗浄:まずは使用した器具を、中性洗剤等で丁寧に手洗いします。

② 超音波洗浄:専用の薬液(逆性石鹸など)を使用し、超音波の力で目に見えない細かな汚れまで浮き上がらせて落とします。

③ 薬液滅菌:強力な消毒溶液に30分間浸け置きし、薬液による滅菌を行います。

④ 機器による最終滅菌:薬液滅菌された器具を、さらに高圧蒸気滅菌器(オートクレーブ)やガス滅菌器(EOG)にかけて完全に滅菌し、次の診療の準備を整えます。

患者様に心から安心していただくために

上記が、当院における標準的な診療準備(洗浄・滅菌)の流れです。
見えない部分だからこそ、衛生管理には一切の妥協を許しません。金属アレルギー治療や根管治療などの専門的な治療を安全に行うため、私たちはこれからも徹底した衛生管理で、皆様に「安心」をお届けしてまいります。

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